南砺市利賀

  • 観光業

  • まちづくり

この僻地に世界が集まるのはなぜ?その魅力の謎を解き、発信する仕事 

人口400人・世界とつながる山村、富山県南砺市 利賀(とが)で地域おこし協力隊を募集します

── 南砺市 政策推進課の担当者に、利賀という土地のリアルを聞きました。

買い物に行くには、山道を車で40分。冬は、豪雪。人口は、かつての約900人から、いまや400人を切りました。富山県南砺市の利賀(とが)地域は、南都市内でいちばんの“僻地”です。

それでも、この谷には世界が集まります。世界的な「演劇の聖地」として知られ、秋のそば祭りには市外から人が押し寄せ、慶應大学の学生たちが毎年ゼミ合宿にやってくる。ネパールとの縁が、いまも文化として息づいている——。そんな不思議な山村で、地域の魅力を伝え、守り、次の暮らしをつくっていく地域おこし協力隊を、1名募集します。

今回は、募集を担当する南砺市 政策推進課の方に、利賀の“いま”を率直に語ってもらいました。

人口400人。それでも「世界が集まる」山村

利賀地域は、南砺市の8つの町村が合併したなかでも、もっとも奥にある山あいの集落です。市の職員が現地を訪ねるだけでも「半日仕事」になるほど。人口減少と高齢化は、この5〜6年でいっそう深刻になっています。それでも担当者の言葉からは、この土地への確かな可能性がみえてきます。

人口は、昔は約4600人いたのが、いまは400人を切るくらい。過疎化が著しい地域です。ただ、その分だけ、ものすごく特色のある地域なんですよ。

── 南砺市 政策推進課 担当者

その特色を支えているのが、「そば」「演劇」「交流」の三本柱です。

そばの名産地で、川にはイワナがいて、自然が本当に豊か。そして演劇。ここは世界的な“演劇の聖地”なんです。慶應大学の学生さんが、毎年ゼミ単位で来てくれるような場所でもあります。

── 南砺市 政策推進課 担当者

秋の「新そば祭り」には市外から毎年人が押し寄せ、5月には歩きながら風景を楽しむ「利賀天空ロゲイニング」、夏から秋にかけては世界に知られた「演劇祭」が開かれます。近年は、林業を学ぶ「TOGA森の大学校」が開校し地域の重要な施設となり、日本中から来店があるミシュラン二つ星のフレンチ「L'évo(レヴォ)」も移転してきました。小さな山村に、いくつもの“人を惹きつける核”が育っているのです。

民宿を買い取り、これからの地域を引き継ぐ協力隊

この記事を書いている時点で、利賀にはひとりの協力隊員がいます。2026年8月に任期を終える彼女は、この地域の“理想的な卒業”を体現しようとしています。

地域で辞められる民宿を自分で買い取って、ゲストハウスとして地域に残ることになりました。地域の魅力を知ったうえで、その魅力を守るために残る。それが、いちばんいい形だと思っています。

── 南砺市 政策推進課 担当者

彼女も、最初から「民宿をやる」と決めて来たわけではありません。活動のなかで地域の課題と出会い、自分のやりたいことを見つけていった。担当者いわく、利賀はこうした“定住”につながりやすい土地なのだといいます。

意外と、この地域は残る率が高いんです。その前の隊員も、まったくのノープランで来て、いまは地域の農業公社で農業をしながら住み続けています。都市部からは距離があるからこそ、逆に地域への愛着が湧きやすいのかもしれません。

── 南砺市 政策推進課 担当者

どんな仕事? ── 「地域の魅力を伝える」ハブになる

活動の拠点は「利賀地域づくり協議会」。地域のコミュニティセンターを単位に置かれた組織で、常駐の事務局長(市役所OB)や、地元建設会社の社長でもある会長が構成する団体の中で働いてもらいます。基本は毎日この拠点に出勤し、イベントがあればその現場へ。南砺市は「小規模多機能自治」を掲げ、地域のことは地域で考えて動く——その中核に、協力隊が入っていくイメージです。

仕事の中身は多岐にわたりますが、担当者に「ひとことで言うと?」と尋ねると、答えはとてもシンプルでした。

何をやるかと言えば、“地域の魅力を伝える”。そのうえで3年後、自分の役割や生業を見つけて、この場所で起業してほしいです。

── 南砺市 政策推進課 担当者

具体的な活動は、大きく2つの柱に分かれます。

① 交流活性化事業 ── 国内外の多様な交流のハブに

  • 50年続く交流事業(東京・武蔵野市、東京・_こども教育宝仙台学、ギリシャ・デルフィ市との演劇/青少年交流、ネパール・ツクチェ村とのそば/曼荼羅交流)の企画・運営支援

  • 大学生との交流:慶應義塾大学・早稲田大学などの学生との地域交流、情報発信、商品開発、ゼミ合宿の受け入れ

  • 受け入れ・交流の企画:移住者との交流会、とが婚活交流会、小学生の農作業体験や修学旅行の受け入れ など

② 地域の魅力づくり事業 ── 観光・イベントの推進

  • 地域資源を活かした観光PR:「新そば祭り」「演劇祭」「利賀天空ロゲイニング(5月恒例)」などとのタイアップ、物産展・SNSでの発信

  • ミニイベントの運営協力:「ごっつお祭り」「年越しそば会」「どぶろく祭り」「雪の集い」など

事務作業もあれば、身体を動かす労務的な作業もある幅の広い仕事ですが、実際の活動は隊員本人の希望を聞きながら、地域の実情に合わせて柔軟に組み立てていきます。

市が本当に求めているのは、「地域を引っ張っていく人」

かつて協力隊は「村の足りない人手」として捉えられがちで、それがうまくいかない一因にもなってきました。だからこそ南砺市が今回求めているのは、単なる労働力ではありません。

ざっくり言うと、“地域を引っ張っていってくれる人”がいちばん欲しい。高齢の住民の方はもちろん、地域活動になかなか出てこない若い方も、“面白いことやろうぜ”と巻き込んで引っ張ってきてくれる。そんな役割を担ってほしいんです。

── 南砺市 政策推進課 担当者

この5〜6年で、地域が本当に回らなくなってきているのを実感しています。いちばん人数の多い世代の方が少し疲れてきて、お祭りも、コミュニティ自体も……。だからこそ、若い人でも地域を引っ張ってくれる人を求めています。

── 南砺市 政策推進課 担当者

3年後のゴールは、この土地で「起業」するか、地域で働き続けるか。もと観光担当だった担当者は、利賀の観光的な魅力に大きな可能性を感じています。

利賀には観光の魅力があると思っています。ただ“いいところなので来てください”ではなくて、関係人口を増やして、その人たちにPRしてもらって、“稼げる地域”にしていってもらえたら。3年では無理かもしれないけれど、その一歩を踏み出してほしいんです。

── 南砺市 政策推進課 担当者

正直に言います ── 覚悟がいること、向いている人

よいことばかりを並べても、来てからのギャップになってしまう。担当者は、この土地の“大変さ”も包み隠さず話してくれました。

お店らしいお店もないので、買い物は車で40分ほど。すれ違うのも怖いような山道を通って、町へ降りていくしかありません。いまの隊員も週に1回は町へ降りていて、それがいい息抜きにもなっているようです。

── 南砺市 政策推進課 担当者

“大変ですよ”といくら言っても、これは来てみないとわからないと思うんです。でも、それを乗り越えて3年いた人は、地域をすごく好きになる。だから、向いているのは、しっかりコミュニケーションが取れる人。そして、冬の雪に耐えられる人ですね。

── 南砺市 政策推進課 担当者

人が少ない土地だからこそ、人とのつながりがすべて。明るく地域に溶け込めることが、いちばんの適性です。なお現状では、家族で住める空き家が整っておらず、単身での移住が中心となります(住まいは市が用意します)。この点も、正直にお伝えしておきます。

この山村を、一緒にもっとおもしろく

世界の演劇人が集い、そば祭りに人が押し寄せ、ネパールの絵師が描いた「瞑想の郷」がたたずむ——利賀は、小さくても確かに世界とつながっている山村です。その魅力を伝え、守り、そして自分自身の暮らしと生業をこの地で見つけていく。3年後、あなたがこの土地に残りたいと思えたなら、それがいちばんの成功です。

覚悟のいる場所です。でも、その覚悟を越えた人ほど、深くこの地域を好きになる。知恵と汗を道具に、よそ者の視点を武器に。利賀の次の一歩を、一緒に踏み出しませんか。

募集要項

募集自治体

富山県南砺市(政策推進課 移住・定住係)

募集職種

地域おこし協力隊(利賀地域担当)/ 交流・観光を軸とした地域づくり

募集人数

1名(現隊員が2026年8月で任期満了。9月以降の新たな隊員を募集)

活動拠点

利賀地域づくり協議会(富山県南砺市利賀村171)

雇用形態

南砺市 会計年度任用職員

活動期間

配属日より1年間(配属日は令和8年9月1日以降)活動意欲・実績により最長3年まで延長(令和8年9月採用の場合、令和11年8月31日まで)

給与・賃金

月額 210,000円期末・勤勉手当あり(6月・12月の年2回)

勤務時間

1日7時間45分/週38時間45分(標準 8:30〜17:15)イベント等により休日勤務あり(超過分は代休)

休日

土曜・日曜・祝日、年末年始(12/29〜1/3)ほか会計年度任用職員に準ずる

待遇・福利厚生

住居:市が用意する住宅(地域の空き家または市営住宅)。借上げ料は市負担自動車:活動用車両・燃料費は市負担(買い物・通院等の生活の足としても必須)社会保険:厚生年金・健康保険・雇用保険に加入研修等支援:調査研究・研修費として年額15万円を上限に支援(生活用品・光熱水費等は自己負担)

応募資格

① 住民・市内事業者・各種団体と連携し、地域を元気にするために意欲的に動ける方② 令和8年4月1日現在で20歳以上45歳以下の方(性別不問)③ 都市地域等から南砺市へ住民票を異動し移住できる方(現住所が過疎等の条件不利地域でないこと)④ 最長3年の活動終了後、南砺市に定住し起業または就業する意欲のある方⑤ 普通自動車運転免許を持ち、運転に支障のない方⑥ パソコン(Word・Excel・PowerPoint等)の一般的な操作、メール・SNSができる方

選考

オンライン面談(受け入れ先の事務局長が同席)1〜2回 → 南砺市役所での最終面接経験の有無より、熱意・関心の高さを重視(応募の秘密は守られます)

お問い合わせ

南砺市役所 政策推進課 移住・定住係〒939-1692 富山県南砺市荒木1550TEL 0763-23-2052 / FAX 0763-52-6338 / E-mail nanananto@city.nanto.lg.jp

このプロジェクトの作成者

富山県南砺市(政策推進課 移住・定住係)

一覧をみる

DOWNLOAD

NEXT LOCALのしくみと実績をまとめた資料です。
立候補制度の運用フローも入っています。

GET IN TOUCH

ローカル2年生限定、
次の挑戦をひらく。

© 2026 NEXT LOCAL —mujo Inc.